砂糖への誤解

「砂糖(白砂糖)は、体に良くないときくが?」という質問を時々聞きますが、なぜこのようなことになったのでしょうか。

「白砂糖は漂白してある」と思っている人が多いですが、それは間違い漂白されていません。 

砂糖の結晶1粒1粒は透明す。の結晶も透明です。どちらも表面はゴツゴツしているので光が乱反射(あちこちに光が反射する)するので白く見えるのです。光が全部集まると白く見える「白化現象」といいます。

海は青いのに波は白く見えま。波のしぶきで乱反射が起こり白く見えます。紙もそうです。白い紙は実は透明なのですが、乱反射によって白く見えるのです。洋服の布も同じで水をかけると色が濃く見えます。水をかけると光がまっすぐ進み乱反射起こらなくなるからです。Yシャツが濡れると肌色が透けてよく見えますね。

砂糖は「ビタミンBを奪うって? 砂糖やご飯の炭水化物(糖質)を食べると、それを消化してエネルギーを作りますが、そのときにビタミンBが補酵素として働きます。なので消化を助けるのに必要な補酵素!砂糖が奪うわけではないのです。

砂糖がカルシウムを奪う? 砂糖は炭水化物なのでそういったことは無いそうです。

脳の栄養は「ブドウ糖」で、脳に届く栄養は唯一ブドウ糖といわれています。脳血液関門で他の物は入らないようにしているそうです。砂糖はそのブドウ糖の有力な栄養源です。《子供の頃朝おばあちゃんから「目ざまし!」といって飴をもらったことを覚えています》。そうですまさに目覚ましなのです。

【豆知識】 脳にはブドウ糖の他に、アルコール、カフェイン、ニコチンも入るそうです。

寝ている間に新陳代謝をして体を修復しています。それにはエネルギーがいりますので、朝起きる頃にはエネルギーを使ってしまっています。物理学者の三石巌先生によると、「朝食を食べないで学校や会社に行くとエネルギー不足で脳が働かずぼーっとしていてろくな1日にならないでしょう」。「バナナ1本で良いから、朝はブドウ糖を含んだ朝食を食べなければいけません」ということです。ご飯やパンのデンプンもブドウ糖がたくさんくっついた物です。

ではなぜ? 砂糖が体に悪い」という説が世界中に広がったのは、政治問題が引き金であったという説が有力です。1962年の「キューバ危機」に際してケネディ政権は、キューバと全面対決をする決心をしました。キューバの経済は砂糖の輸出に大きく依存しています。そこで砂糖を罪悪視している論文をスタッフは探し、科学的根拠のない論文に出会い「砂糖罪悪論」は世界に広がったということです。

黒砂糖は良くて、白砂糖は悪い?群馬大学名誉教授・高橋久仁子先生は、「食べもの神話の落とし穴」(講談社)の中でこう述べています。

よく聞くのが、「黒砂糖は体に良いが、白砂糖は体に悪い」です。黒砂糖からいわゆる不純物を取り除いた物が白砂糖です。この不純物にミネラルなどの栄養もありますが、どちらも同じショ糖だということです。ショ糖はブドウ糖(C6H12O6)果糖(C6H12O6)がくっついた物です。ショ糖の化学式は(C12H22O11黒でも白でもその成分のショ糖は同じなのです。黒砂糖の方がカリウム、カルシウム、ビタミン類を含むということです。

三温糖の方が体によさそう。 これも違っていて「三温糖」の名前を良く見ると「三回温めた糖」という意味です。三番絞りの砂糖です。三回温めるので砂糖に焦げ色が付く、これが三温糖の色です。あの色が黒砂糖をイメージしますが違います。今では三温糖は5番絞りや6番絞りで作られている物があります。

あるメーカーの方は、「皆さんどんな砂糖をお使いですか?と聞くと、三温糖の方が多いのですが、私達は上白糖をお勧めしたいのですと話していました。白砂糖より三温糖の方が酸化しているです。

白砂糖は不純物が少ないので原田に負担が少ない。という専門家もいます。

砂糖は太るの誤解  浜松医科歯科大学の名誉教授、高田明和先生「砂糖は太るの誤解・講談社」(絶版)という本を出版しています。

砂糖は1g4キロカロリー。デンプンは1g4キロカロリー。タンパク質は1g4キロカロリー。脂肪は1g9キロカロリー。油の方が太りやすい。なので、砂糖1㎏と米1㎏、小麦粉1㎏、そば粉1㎏はのカロリーはあまり違わないのです。

砂糖の消費量は減っているが糖尿病は増えていると発表しています。

「グリセミックインデックス」 GI値という食後の血糖の上昇を示す数値があります。普通のパンを100とした場合、コーンフレークは112 焼きポテトは158 。ソフトドリンクは97 バナナは94,5 砂糖は88,5 パスタは83、白米83で、砂糖はそれほど高い数値ではないそうです。

高田明和先生と高橋久仁子先生は、日本の砂糖研究の専門家といわれています。脳や栄養の専門家です。本もたくさん出されていますので読んでみて下さい。絶版の物は図書館で!

転化糖とは? デンプン由来の甘味料。 砂糖の結晶化を防ぐため、砂糖溶液に食酢などの酸を少量加えて加熱する。すると、ショ糖の一部が酸により分解されブドウ糖と果糖混合物に変化する。転化糖になると甘味も増加し吸収性も良くなる。 

異性化糖とは? ブドウ糖と果糖を主成分とする液状の糖です。

ジュースなどの材料名をを見ると「ブドウ糖果糖液糖」「果糖ブドウ糖液糖」と書かれています。トウモロコシ、サツマイモ、ジャガイモなどのデンプンを原料に、3種類の酵素反応によって作ります。この酵素は安全な微生物が作る酵素です。

デンプンはブドウ糖がたくさん結合した物で、デンプンを分解してもブドウ糖の単糖になるだけ。ではなぜ果糖ができるのか?

作り方は? まず、デンプン「液化酵素」「糖化酵素」でブドウ糖を作る《デンプンはブドウ糖がたくさんくっついた多糖類→これを単糖のブドウ糖にする》。→ そして「異性化酵素」でブドウ糖の約半分を果糖に変えて果糖50%未満が「ブドウ糖果糖液糖」。

甘味度を砂糖と同じくらいにするために果糖の濃度を50%以上に高めたのが「果糖ブドウ糖液糖」

どちらの糖が多いかによって呼び方が前後します→*注1)砂糖の甘味度を1とすると、ブドウ糖果糖液糖は砂糖の約0,94。果糖ブドウ糖液糖は、1,03とされています。

面白いのが温度の変化によって、甘味度が変化することです。果糖ブドウ糖液糖は、甘味度が砂糖を1とすると、温度が高いと甘味度は0,96。温度が低いと1,09です。アイスクリームなどの冷菓は温度が低い方が甘く感じるのです。

よくいわれるのが、砂糖より異性化糖の方が肥満の原因になる。中性脂肪の合成を促進するなどです。→しかしこれは米国医師会で、砂糖と異性化糖の原料の代謝の違いは見つからなかった。と発表、これを否定しました。 

なぜ悪いということなのか? 材料に「遺伝子組み換え」のトウモロコシが使われているので良くない。ということです。

注1)食品の原料表示ですが、表示は材料が多い順から書いてあります。いくつかの商品が売っている場合、この表示の順番を見て買うと良いです。

砂糖を製造法で分けると、「分蜜糖」「含蜜糖」に分けられます。

含蜜糖は、黒砂糖、和三盆、カエデ糖(メープル)等です。 

分蜜糖は、原料糖」(粗糖)と「耕地白糖」に分かれます。

★原料糖は 、「耕地白糖」ー→製品砂糖(グラニュー糖など)「精製糖」に分けられ

精製糖加工糖ー→(氷砂糖、角糖など)と製品砂糖(グラニュー糖、上白糖など)に分けられ

耕地白糖は、てん菜白糖ー→製品精糖(グラニュー糖、上白糖など)と、

甘蔗白糖製品砂糖(グラニュー糖、上白糖など)に分けられます。 

「耕地白糖」とは?サトウキビやてん菜から「原料糖」を作らずに、サトウキビを直接絞って作る製法です。

◆各種てん菜糖中の糖度グラニュー糖が99,90 上白糖が97,70 てん菜原料糖が99,98 

◆各種精製糖の糖度は、グラニュー糖が99,97 上白糖が97,69 三温糖が96,43 氷砂糖が99,95 粉砂糖が98,38 角砂糖が99,96 です。

てん菜糖について 現在国内で生産されている砂糖は8割がてん菜糖です。

てん菜糖が良いとうたって販売しているところがありますが、ちょっと時代遅れの情報では。

てん菜の砂糖は体を温め、サトウキビの砂糖は体を冷やす?

 砂糖(ショ糖・スクロース)の化学式は、C12H22O11です。

てん菜糖もサトウキビも同じショ糖、同じ化学式、同じ物質です。同じなのに片方は体を温める、片方は体を冷やす?ということがあるのでしょうか!? 

てん菜をまるごと食べたら、その成分で体を温める事もあるでしょう。サトウキビをまるごと食べたら体のほてりをとる事もあるかもしれません。 しかしショ糖という同じ物質を比較して体を温める、冷やすという反応が起こるのでしょうか? 簡単に考えてみてほしいです